よく降り続いた雨が少しやんだので、一眼カメラを手に庭へ出てみた。菜園の木苺が、白い花をひらいている。オレンジ色の実をたわわに結ぶ前の、まだ静かな時間。雨粒を抱えてうつむくその姿を見ていると、今年は豊かな実りを迎えられそうな、そんな予感が広がる。桜と交代するかのように、庭ではツツジも満開を迎えている。雨上がりの庭は、まるで世界が一度、丁寧に洗い清められたかのような、静かな空気に満ちている。濡れた土の匂いと、大気に含まれた湿り気が、五感をゆっくりとひらいていく。松の下に咲くツツジ。大小の花々が庭にリズムをもたらす。鮮やかな花びらの上にとどまる雫が、まわりの緑をより深く引き立てている。花の大きさが違っていても、この雨を受け取る生命の輝きに変わりはない。濡れた葉に光る水滴は、空間に満ちる気配を、そっと映し出しているようにも見える。植物たちは、雨という天からの恵みを受け取り、それをそのまま命の力へと変えていく。その滞りのない流れに、健やかさのかたちを見る。寒い冬に、いち早く黄色い花を咲かせた蝋梅は、いま瑞々しい新芽を広げている。あの透き通るような香りの記憶は、やわらかな緑の中へと受け継がれ、静かに巡っている。雨上がりの庭がこれほどまでに美しく感じられるのは、水がすべてを一度洗い流し、本来の姿を引き出しているからかもしれない。たっぷりと潤いを得た景色は、体の内側の水が整ったときに感じる、あの軽やかさとどこか似ている。