暦が4月へと進み、少しずつ新しいリズムが動き始めた今週。昨日は仕事で、大分県豊後高田市を訪れました。まずは、昼のひととき。「お食事処おかん」という小さな店に車をつけると、ご夫婦がにこやかに迎えてくれました。手づくりの食券の説明を聞きながら選んだのは、おすすめのメジナの定食。前日、佐伯で釣ったばかりだというメジナ(クロ)は、揚げたてで、海の香りまで広がるおいしさ。店内には、ご夫婦の歩んできた時間が並んでいました。マラソンや船旅、登山に釣りの写真。どれもあたたかくて、満面の笑顔で見ているだけで元気をもらうような空気。帰りはのれんの下で記念撮影までしてくれて、ずっと手を振ってお見送り。こんなにも自然で、楽しげで、素朴なもてなしに、心もお腹も満たされていく。真心と親しむひととき。初対面なのに懐かしい、そんな幸せに満たされる。仕事の合間に、こうした時間が重なるのも、この土地を訪れる楽しみのひとつ。打ち合わせを終え、そのまま現場へ。今月から新しく携わることになった場所には、視界いっぱいに菜の花が広がっていました。風に揺れる黄色が、静かに印象に残ります。帰り道。ふと立ち寄った海岸では、引き潮のあとに現れた砂紋に、午後の光がきらきらと反射していました。水鏡のようになった砂浜の上を、人がゆっくりと行き交っていく。澄んだ空に、桜がのびやかにひらいていた。そして、もう一度現場に立ち寄る。夕陽に照らされた菜の花は、昼とはまた違う表情を見せていました。一日の終わりに広がる、やわらかな光。豊後高田の大地と、海。この春に芽吹くご縁や、あたらしい仕事。そのはじまりの中で、黄金色(こがねいろ)の空気をたくさん吸いこむ。