カレンダーをめくると、鮮やかな色彩が目に飛び込んできました。いよいよ、四月のはじまりです。待ちわびた陽気。待ちわびたサクラの季節。淡い桃色の花びらが、澄み渡る青空に溶け込んでいく。見ているだけで、心までふわりと軽くなるような、そんな不思議な力があります。春の「開花」は、花が開くことだけではなく、この世界全体が、静けさから動きへと移ろう合図のようにも感じられます。冬のあいだ、土の中で静かに力を蓄えていた生命たちが、一斉にその響きを外へと放ち始める季節。「爛漫」という言葉が、自然と浮かんできます。この時期、体もまた、呼応するように動きはじめます。寒さで縮こまっていたものがほどけて、足取りも、どこか軽やかに。ふと外に出たくなったり、何かを始めてみたくなったり。そんな小さな衝動も、春に背中を押されているようです。五感をひらいて、この季節のささやかな変化に耳を澄ませてみる。頬をなでる風のやわらかさ。日に日に濃くなる緑の匂い。そして、一瞬の美しさを精一杯に咲かせるサクラの姿。今月は、そんな春の流れに身をゆだねて、愛でて、味わって。あなたの四月が、やさしくひらいていきますように。