今日は、九月九日。重陽の節句。「九」は、陽の数である奇数の中でもいちばん大きな数字。その「九」がふたつ重なることから、重陽と呼ばれる。一月七日の人日。三月三日の上巳。五月五日の端午。七月七日の七夕。そして、九月九日の重陽。五節句の、最後の節目でもある。重陽は、菊の節句とも呼ばれ、菊を愛で、長寿や無病息災を願う日。けれど今の九月九日は、まだ夏の名残が濃い。菊の季節というには、少し早い。旧暦の九月九日なら、秋がもっと深まった頃。2026年は、新暦の十月十九日が旧暦九月九日にあたる。菊が咲き、空気も澄み、秋を味わうにはこちらのほうがずっと自然に思える。暦に合わせて季節を迎えるのではなく、季節の中で暦を感じる。昔の人は、そうしていたのかもしれない。九という数字がふたつ重なる日。一年の節目を、少し立ち止まって味わう。私たちの暮らしの中にも、こんな静かな節目があっていい。重陽。今年は、今の九月九日と、秋が深まる旧暦の九月九日。ふたつの「九月九日」を味わってみようと思う。