別府の友人から、「米粉のケーキ食べます?」と連絡があった。玄関を開けると、手にはセンスのいい、シックな色の小箱。思いがけない美味しさとの出会いに、心が華やぐ。箱の中から現れたのは、C'est du nanan(セ・デュ・ナナン) のクリスマスケーキ。その佇まいを見て、はっとした。あえて小ぶりなサイズ感。雪原のように塗られたクリームの、潔い余白。そこに、意志を持って置かれた苺とローズマリー。「飾る」ことよりも「控える」ことで生まれる美しさが、そこにはあった。ナイフを入れるのがためらわれるけれど、いただいたのは、グルテンフリーの米粉ケーキ。使われているのは、無農薬・無化学肥料で育てられ、天日で干されたお米だという。昨日、この場所で「土と太陽」の話を書いたばかり。届いたお米と、届いたケーキ。別々の場所から来たふたつの物語が、「素材への愛」という一本の糸で繋がっていることに、驚く。口に運ぶと、クリームは淡雪のように軽く、スポンジはしっとりと、やさしくほどけていく。派手な甘さではなく、素材が本来持っている、静かな甘み。おいしい、という言葉の奥に、「ありがとう」という体温が重なる。わざわざ届けてくれた友人の想いと、見えない素材にまで愛を注ぐパティシエの想い。年末の慌ただしさの中に、ふっと、白い余白のようなやさしい時間をいただいた。C'est du nanan(セ・デュ・ナナン)素材の力を信じて作られた、心と体にやさしいお菓子たち。Webサイトはこちら