最近伺ったお宅で、立派な七段飾りのお雛様を拝見しました。やわらかな光の入るサロンの一角に、丁寧に整えられたお飾り。そのそばで、お孫さんを抱き、おむつを替えながら、やさしく微笑む施主さまの表情が、とても印象に残りました。今日は3月3日、桃の節句。春の光に誘われて、あちこちで桃の花がほころび始めています。部屋に飾られる、美しい雛人形。そのルーツを辿ると、草や紙で作った「形代(かたしろ)」に行き着くといわれています。子どもに降りかかるかもしれない災いを、代わりに引き受ける身代わりの存在。だからこそ、古くは「一人に一飾り」が基本とされてきました。けれど、母から娘へ、そして孫へと受け継がれていくお雛様の姿もまた、深い意味を持つものだと感じます。もし、そのお人形とともに健やかに成長し、穏やかな家庭を築いてこられたのだとしたら。そのお雛様は、長い年月、役目を果たしてきた頼もしい守り手。いわば、時を重ねた「守り神」が、今度は新しい命を見守ってくれているのかもしれません。新しく迎えること。家族の歴史として受け継ぐこと。どちらが正しいということではなく、そこに「健やかにあれ」という願いが込められているかどうか。大切なのは、その心なのだと思います。もし受け継ぐのなら、「また新しい命をよろしくね」と、あらためて想いを込めて飾る。そして、やむを得ず手放す時が来たとしても。それは捨てるのではなく、感謝して送り出すという節目。お顔をきれいな布で拭き、白い和紙や布でそっと包む。清めの塩を添え、「長い間、守ってくれてありがとう」と伝える。受け継ぐこと。新しく迎えること。そして、手放すこと。形は違っても、子どもを思う親心の尊さは変わりません。今日という日が、すべての女の子にとって、そして、かつて女の子だった人たちにとって、あたたかな一日となりますように。大分市でオーダーカーテンとインテリアコーディネートをご提案しているアルティマ工房です。暮らしを整える住環境づくりを通して、心地よい住まいづくりをお手伝いしています。別府市など近隣エリアにも対応しています。