息子が、友人たちと計画した春旅へ。前の晩、荷造りをしている様子をちらりと見たら、思った以上にきれいに整っていて、感心した。朝は4時起き。まだ暗い道を、集合場所の駅まで車で見送る。うれしそうに歩いていく姿を見送りながら、こちらまで、なんだかうれしくなる。家に戻っても、まだ朝。今日は、ひとりの時間。自分が食べたい時間に、食べたいものを食べる。午前中は、米粉の蒸しパンを卵なし、ノンオイルで試作してみた。生地にきなこも入れて。松の実と、黒胡麻くるみをぱらぱら。蒸している途中で、甘栗も。シンプルで、かんたん。計量しなくてもふっくらできた。音を部屋中に響かせて、自由に口ずさむ。つい踊ってしまうほどの開放感。これは、誰かがいないから羽を伸ばしている、というのとは少し違う。自分の思いを尊重し、動き、楽しめることへの純粋な喜び。からだと心が、どこまでも自在であるという実感。きっと今ごろ、遠くの街を旅する子どもたちも、そっくり同じ風を感じているはず。自分たちで決めて、動いて、味わう。その手足の自由を、思いきり吸い込んでいることだろう。一筋縄ではいかなかった、濃密でユニークな子育ての季節が巡り。これから新しい章がはじまるような静かな節目。さて、ごはんは何にしようか。誰のためでもなく、自分のためだけに用意する食卓。ネギの卵とじ、お味噌汁と、小さな鯵。いただいた高菜漬けも少し。いま自分が食べたいものをつくって、ありのままの至福を味わう。今日はお風呂も一番に。花盛りのローズマリーをたっぷり入れて、湯気の中でひと息。午後の室内には、サンダルウッド(白檀)の香りを。窓を少し開けて、春の空気を入れる。旅に出たのは家族だけれど、わたしは家で、暮らすコテージのように過ごす。今日は、自分をよろこばせる日にする。