写真のデータを整理していたら、家を抱く呼吸法のイラストが出てきた。いつ、どこで出会ったものだったか。誰が描いたものかも忘れてしまったけれど、保存していた二枚。その愛らしい線に、やっぱり目が止まる。描かれているのは、人と家が「ハグ」をしている姿。目を閉じて、とても安らかな顔で。私たちは普段、家を「建物」として見てしまいがちですが、この絵は、家とは「自分を守ってくれる第二の皮膚」であり、愛おしむべきパートナーなのだと教えてくれているよう。イラストにある、呼吸のしぐさ。息をふぅーっと「吐く」とき。私と家の底から、太くて強い根っこが、大地深くへと伸びていく。不安や緊張を土へと還し、その土地としっかりと繋がる「根付く」イメージ。そして、息を深く「吸う」とき。新鮮な気が螺旋(らせん)を描いて降りてきて、家全体が光で満たされる。家という空間もまた、私たちと一緒に呼吸をし、循環している。「家をハグする」実際に腕を回すことはできなくても、心のなかのイメージで抱きしめてみる。今日も守ってくれてありがとう、と。日々のひととき、入浴時、あるいは眠る前のほんの数分。深く根を張り、光を吸い込む。自分と家が一つになって深呼吸する時間は、どんなインテリアよりも心地よく、住まいを清らかな「氣」で満たしてくれる、静かな儀式。今、この絵が教えてくれるままに。家を抱くように、ゆっくりと呼吸する。そんなことから、始めてみよう。