今日は、ウィーン少年合唱団のコンサートへ。透明で、澄んだ声。少年たちは、ひとつひとつの音を丁寧に唄っていた。その姿を見ていると、声を届けることそのものが、喜びなのだと伝わってくる。音の重なりや響きを楽しんでいる。その豊かさや純粋さが、なんとも美しかった。第一部も美しかったけれど、心に残ったのは第二部だった。少年たちが日本語で「ふるさと」を唄う。とくに好きな三番の歌詞。こころざしをはたしていつの日にか帰らん山はあおき故郷水は清き故郷子どもの頃には、まだ意味を持たなかった言葉。けれど、歳を重ねてくると違う響き方をするようになっている。帰る場所というのは、地名だけではないのかもしれない。懐かしい風景。安心できる感覚。そして、ずっと奥にある静かな場所。そんなもの全部を含めて、ふるさとなのかもしれない。私には、魂の帰還のことかのようにきこえる。透明な声は、遠くへ響いていくのに、同時に、自分の内側へ静かに届いてくる。歌というのは不思議だ。言葉だけでは届かない場所へ、まっすぐ触れることがある。美しい時間だった。そして、また帰る場所を思い出した一日だった。