空間には、言葉にならない情報がある。どんな家具があるとか、きれいに片づいているとか、というより、どんな状態で、どんな時間を過ごしているのか。その人らしさは、空間に、静かに映っているような気がする。住まいづくりに携わるようになって、空間と人は、いつも影響し合っているのだと感じるようになった。空間は、人がつくるものでもあり、人を育てるものでもある。現代は、便利なものも、情報も、あふれている。気づけば、空間にも、心にも、余白が少なくなってしまう。だから、何かを足す前に、何かを減らす。「間」をつくる。その余白に、風が通る。光が届く。音が響く。自然は、いつもそこにある。空間を尊ぶということは、自然とのつながりを、思い出すことなのだと思う。空間を整えることは、暮らしを整えること。そして、暮らしが整うと、人も整っていく。そんなふうに、私は感じている。