カレンダーを、2026年のものに掛け替えた。昨年一年間、私の指針となってくれたのは河井寛次郎。日々、何度も立ち寄る小さな場所で、カレンダーをめくるたび、力強い墨跡に背中を押され、目の前の一瞬を大切に積み重ねてこられた気がする。そして今年、共に時を刻むのは「よつめ染布舎」さんのカレンダー。二十六年の干支、馬たちが軽やかに駆ける美しい型染め。部屋がぱっと明るくなるような色彩に、新しい一年への希望がふくらむ。どちらも、紙の質感がとても良い。厚みがあったり、薄かったり、光を受けると、ほんのわずかに影を含み、指先に触れると、時間を蓄えたようなやわらかさがある。時を整えたあとは、いよいよ、ご対面。年末、その端正なしつらえに心を打たれたお野菜の箱。ひとつひとつ、丁寧な結びを解いていく時間は、まるで宝石箱を開けるような高揚感!包みの中から現れたのは、瑞々しいレモン、力強い宿儺(すくな)かぼちゃ、そして土の香りを残すさつまいも。さらに、立派な「聖護院大根」が顔を出す。新聞紙や古紙で包まれているだけなのに、そこに一枝の赤い実が添えられるだけで、これほどまでに心が動く「しつらえ」になる。素材そのものの美しさと、それを守り、手渡そうとする人の手の温もり。その尊さを、あらためて教えてもらった。暮らしの中に美を見出し、暮らしそのものが仕事になる。河井寛次郎の言葉が示してきた世界は、特別な場所ではなく、こうした日常の中に静かに息づいているのだと。新しいカレンダーが刻む「今」という時間の中で、大地から届いたこれらの宝石を、感謝とともに、一品ずつ大切にいただこうと思います。三が日の結びに、心豊かな対話を。明日からは、また新しい景色が始まる。