五月の風には、停滞したものを動かしていく力があるのだと感じる。住まいもまた、風と同じように、流れが大切なのかもしれない。新しく多くを足すのではなく、空間の衣替えをするように、配置や流れを整えていく。以前、この時期にお手伝いした空間も、新しく多くを足したわけではなかった。家具の位置を整え、視線の抜けをつくり、爽やかな彩りを添える。それだけで、部屋の空気が変わっていく。キッチンのノイズが減ると、呼吸まで深くなるようだった。遊びの空間も、整えすぎない余白を残すことで、自由な気配が広がっていく。何かを足すよりも、流れを整える。そのほうが、住まいも、人も、自然にひらいていくことがある。こいのぼりが風に乗るように、住まいにも、心地よい風が通り抜けていく。