部屋は、いつも整っているわけではない。暮らしていれば、物も動くし、気づけば少しずつ乱れていく。乱れたら、また戻せばいい。使わなくなったものをひとつ手放す。窓を開ける。椅子を元の場所に戻す。たたんだタオルをいつもの場所へしまう。誰に見られることもない小さなこと。でも、そういうことを繰り返していると、自分にとって必要なものと、そうでないものが少しずつ見えてくる。物だけではない。無理に合わせていたこと。もう背負わなくてもいいこと。誰かの期待を自分のものだと思っていたこと。そういうものも、ひとつずつ元の場所へ戻していく。何もない部屋をつくりたいわけではない。完璧に整った暮らしを目指しているわけでもない。ただ、自分にとって大切なものが何なのかを忘れないでいたい。乱れたら、また整える。迷ったら、また選び直す。その繰り返しが、自分の暮らしを自分の手に戻していく。今日もひとつ、元の場所へ。