明けましておめでとうございます。アトリエの和室に、ひとつの箱があります。卯年のお正月に、京都の仙太郎さんで花びら餅を買ったときのもの。以来、年賀状を入れる箱として使っています。蓋には、十二支の絵と「ことほぐ」の文字。新しい年のはじまりに、ふと、その言葉が目に留まりました。「ことほぐ(言祝ぐ)」。それは、言葉によって祝福すること。声に出すこと、思いを言葉にのせることそのものが、すでに寿ぎ(よろこび)である、という日本の美しい在り方です。特別なハレの日だけでなく、朝、窓を開けて光を入れること。道具を丁寧に手入れすること。誰かのために、温かいお茶を淹れること。暮らしを整え、静かに日々を見つめることは、すべてこの「ことほぎ」へとつながっているように感じます。言葉が現実をつくるように、暮らしへのまなざしが、人生の景色をつくっていく。この場に立ち寄ってくださったあなたの時間が、急がず、削られず、やさしく巡る一年でありますように。本年も、どうぞよろしくお願いいたします。言祝ぎをこめて。