数年前リビングのカーテンをお任せいただいた大分市のO様より、あらためて、玄関・廊下・LDKのリフォームをご相談いただいた事例のご紹介です。住まいの節目に、再び声をかけていただけること。その信頼に、背筋が伸びる思いでした。テーマは、「すっきりと整えること」。けれどそれは、O様がこれまで温めてこられた想いを、無理なく空間に通していくことでもありました。キッチンは、吊戸棚を取り払い、視線と気配が通るセミオープンへ。家族や愛犬の存在を、ふとした瞬間に感じられるような、やわらかなつながりが生まれています。構造上現れる厚みのある壁には、小さなニッチを設けました。目立たせないのではなく、受け入れて整える。そんな設えが、空間にさりげない奥行きをつくります。また、壁と天井の境にあった廻縁をなくし、線をひとつ減らすことで、空間全体の印象がすっと静まり、現代的な軽やかさが際立ちました。リビングに隣接していた和室は、フローリングへ。段差をなくし、一続きの空間とすることで、愛犬とともにのびやかに過ごせる場所へと変わっています。玄関もまた、大きく印象を変えた場所のひとつ。床から浮かせた収納にすることで、光と余白が生まれ、一日のはじまりと終わりが、少し軽やかになるような空間になりました。素材や色選定には、現物サンプルを並べて吟味しました。グレーの天板、オークの床、壁の質感。小さなサンプルを並べ、光の中で確かめながら、一つひとつ、納得のいく組み合わせを探っていきます。目に見える部分だけでなく、心地よさの奥行きも大切に。既存のサッシを活かしながら、ガラスのみを真空断熱ガラスへと交換しました。室内に、やわらかな温もりがとどまるようになったと伺っています。工事期間中、2階での生活を続けながらの時間。ご不便もあったかと思いますが、その中でも丁寧に対話を重ねてくださったことに、心から感謝しています。完成した空間に流れるのは、整えられた美しさだけでなく、重ねた時間そのものの、静かな気配。これからの日々が、愛犬とともに、やわらかく心地よく続いていきますように。→ 大分市O様からのご感想はこちら