アルティマ工房が開業してまもなくの頃、奥でコーヒーカップを洗っていたとき、水栓にカツッとぶつけた。贈っていただいたものなのに、うっかりヒビを入れてしまったことが残念で、申し訳なくて、すぐに同じものを購入した。ヒビカップは”私が使う”で問題なかった。ある時、ホテルカンラ京都の1Fで金継ぎ工房リウムさんを拝見する機会があり、しばらくの月日を経て、新たに割れた小鹿田焼の茶碗とヒビカップを送ってリウムさんへ金継ぎをお願いした。それから半年後、味わい深い輝きを纏って我が家へ器たちが帰ってきた。息子は銀仕上げで復活した自分の茶碗を以前よりも愛用するようになった。そんな様子に感じ入りながら、傷跡を美しく扱う修繕文化をとても誇らしく思った。夏に西陽が当たる我が家のエアコン室外機の配管カバーが消耗していることに気づいて、仕事で御世話になっている業者さんに、ようやく修繕に来てもらった。一旦室外機を移動して、カバーの上部ズレも調整してもらい、エアコン本体の動作状況と連携もしながらの作業だった。細かい部分まで納め方が丁寧でとても嬉しかった。本日曇り、季節は秋も深まり肌寒いのに、業者さんは額にたっぷりの汗をかき、清々しい笑顔で作業の完了報告をしてくれた。