春の門出を迎えるこの時期。ありがたいことに、どこにいっても、たくさんの桜たちが祝ってくれます。圧倒的な光の粒を纏って、そこに居てくれる。桜は、変わらぬ愛で祝福し、本来の自然さへと引き戻してくれる、まるでかけがえのない友人のような存在です。四国で出会った、最高にドラマチックな祝福の風景。深い青を湛えた湖面に架かる鮮やかな赤い橋。そこを風が吹き抜けるたび、数えきれないほどの花びらが宙に舞い、風にすくい上げられるように、ふわりと空へと昇っていく。光をまといながら、それはまるで、空へと還っていく光の粒のようでした。そんな舞いあがる花びらの中にいると、古い一年が清められ、まっさらな新しい自分が、静かに立ち上がっていくような感覚を覚えます。旅の途中で出合った桜たちは、場所ごとに、時間ごとに、異なる響きを奏でていました。清らかな白、艶やかなピンク、風に揺れるしだれ桜……。ただじっと眺めているだけで、胸の奥がじんわりと温かくなり、心の色がしっとりと「サクラ色」に染まっていくのが分かります。桜の木の下に立ち、大きく深呼吸をして見上げれば、そこはもう異空間。見上げれば見上げるほど、自分という境界線が溶けて、宇宙の大きなリズムの一部に戻っていくような没入感。これこそが、私が毎年、桜のもとを訪れずにはいられない理由です。陽を透かして、まるで内側から発光しているような一房。一瞬一瞬を全力で、美しく奏でるその姿は、これからの一年を照らしてくれる、希望の灯火のようです。心がサクラ色に染まったとき、世界もまた、同じ色に響き始める。この清々しい余韻を抱きしめて、私を祝ってくれたすべての桜に。そして、この記事を読んでくださっているあなたの今も、どうか美しいサクラ色に染まりますように。