写真を眺めていて、目に留まった場所があった。清々しい緑が、なんとも気持ちいい。見ているだけで、北海道の涼しい空気まで思い出してくる。美唄市の安田侃彫刻美術館アルテピアッツァ美唄。広い空と緑の中に、静かに彫刻が佇んでいる。かつて炭鉱で栄えたこの土地には、そこで暮らした人々の記憶がある。時代が変わり、炭鉱としての役割を終えた場所に、新しい時間が流れている。彫刻を見に行くというより、その場所に身を置く。歩いたり、立ち止まったり。木々の間を抜ける風を感じたり、何もせず、ただ眺めたり。自然の中に置かれた彫刻は、まるで最初からそこにあったかのように馴染んでいる。そして不思議と、静かな場所にいると自分の内側にも意識が向いてくる。何かを考えなくてもいい。何かを感じようとしなくてもいい。ただ、そこにいる。「誰もがこころを広げられる芸術広場」土地が持っている記憶を受け取り、自然と人と芸術が新しい時間をつないでいく。写真の中の緑を眺めながら、あの場所の静けさを思い出した。