水についての実験映像を見かけた。塩素を含む水に、試薬を入れると黄色く変化する。そこへ手を入れると、わずか5秒ほどで色が消えていく。塩素が消えたのではなく、肌へ吸収されたという話だった。細かな数値や捉え方はさておき、毎日触れている水が、身体とちゃんとつながっていることを、あらためて感じた。顔を洗う。シャワーを浴びる。ウォシュレットを使う。湯船につかる。一日に何度も、人は水へ触れている。けれど普段は、“水そのもの”を意識することは少ない。以前に比べると、飲み水を整えることは、ずいぶん一般的になってきた気がする。浄水器やウォーターサーバーも、暮らしの中へ自然に入るようになった。そして最近は、“飲む水”だけでなく、お風呂やシャワーなど、身体へ触れる水を整えるという考え方もようやく広がりつつある。マンションでも設置しやすい、スリムな全館浄水システムもある。住環境の一部として、水を見直す時代に入ってきているのかもしれない。宿泊空間づくりでも、最近は水まわりの空気感を大切にしている。シャワーの肌あたり。湯気のやわらかさ。タオルの吸い方。洗面台に立った時の空気。そういう小さな感覚が、身体の安心感につながっている気がする。数値が基準以下であっても、長年信じて疑わないことであっても、髪や皮膚は目に見える形で知らせてくれている。まずは水。暮らしの血液。目立たないけれど、からだの内側を、静かに支えている大事なものだと思う。