”眠り” は一日の中でいちばん無防備になる時間。だからこそ、そばに置くものや触れるもの、光、空気の質を、もう少し大切にしてもいいのだと思う。最近よく相談を受けるのが、スマホの充電場所のこと。多くの人が、アラームや緊急時対応のために、手が伸ばせる範囲に置いたまま眠っているのではないだろうか。けれど、ハーバード大学やアメリカ睡眠医学会(AASM)は“就寝中はスマホを体から離すこと” を推奨している。理由は単純で、しかし本質的だ。通知の光や小さな振動は、眠りのリズムを乱し、睡眠ホルモンの働きを弱めることが分かっている。さらにスマホは、使っていない時でも通信待機やアプリ更新のために、断続的に電磁波(RF)を発している。これは危険と断定されているわけではないけれど、距離を離すと急激に弱まるという物理的な事実がある。就寝中の寝具の近くでの充電は避けたほうが安全だし、アメリカでは発熱リスクの観点からも“枕元から離す”よう注意喚起がされている。そう思うと、寝室のコンセントの位置やベッドの向きひとつさえ、眠りに大きく関わっているのだと気づく。寝室は、家の中でいちばん見直しの余地がある場所。デバイスの置き場や光のことは、案外見逃しがちだ。さらに、音や空気の質、寝具の素材や感触——こうした要素の積み重ねが、眠りを左右していく。そして何より——自分の体がどう感じているかを、もっと信じていいのだと思う。私は、スマホやPCの操作中など蕁麻疹として反応が出ることがあるし、うっかり枕元にスマホを置いたままの夜は途中で起きたり、朝のスッキリ感がわずかに違う。科学で説明できないことは多いけれど、体はとても正直で頼りになる。強い眠気に包まれる今日のような日は、本能の声のように “調えて” と言われているのかもしれない。今夜は、スマホを少し遠くに置いてみよう。たったそれだけで、眠りの質は静かに変わりはじめる。