晴れているのに、泣けるような寒さだった。日中でも空気が芯まで冷えている。古民家暮らしには、冬の寒さが一際堪える。そんな一日に、ひとつの小包が届いた。鹿児島の「かえるすたいる」さんからだ。封を開けると、そこには色が溢れていた。黒、赤、緑の古代米。丸く愛らしい玄米餅や白餅。そして、太陽のエネルギーを詰め込んだ朝日米。けれど、何より胸を打ったのは、添えられた「かえる通信」に記された山田さんの言葉たちだった。「お米作りは、一年掛かりの山登りのよう」無肥料、無農薬。機械乾燥ではなく、天日干しで、お日様の力だけで乾かす。それは、効率を追い求める現代の流れとは逆を行く、途方もない手間と時間の結晶だ。けれど彼らは、それを「苦労」ではなく、「生き物としての喜び」として語る。お餅についての手書き文字には、こうあった。『今年は今までで一番美味しい!』『雑味のない、スッキリとしていて、スーッと入ってくる味』その言葉に、嘘はないと確信した。なぜなら、お米には、作り手の生き方そのものが映るからだ。彼らが日々、どれだけ誠実に土と向き合い、風を感じ、家族で笑い合って過ごしているか。その「命の密度」が、一粒一粒に、ぎゅっと詰まっている。私たちは、食べることで、その風景と繋がることができる。渓谷の水。緑あふれる山々。そして、山田家のあたたかな食卓。尊い仕事だと思う。種をまき、育て、命を繋ぐこと。それを、何年も何年も、変わらずに続けてくれていること。これからいただくお餅やお米は、きっと身体だけでなく、心まで満たしてくれるはずだ。稲が天に向かって伸びるように、山田家のお子さんたちも、健やかに、逞しく育っていきますように。遠く離れた場所から、精一杯の感謝と、祝福をこめて。