満月の日曜日。朝6時ごろ。外はまだ暗かった。日の出が遅くなり、日の入りも早くなっている。いつの間にか、季節はこんなところまで進んでいた。今日は、雷鳴からはじまった。まだ眠りの残る朝に、遠くで鳴る雷。やがて雨が降りはじめ、屋根を打つ音が部屋いっぱいに響いている。満月の日は、月の影響もいつもより大きくなる。月の満ち欠けは、昔から人の身体や生活と結びつけて考えられてきた。満ちるものがあれば、また欠けていく。そんな月のリズムを、私たちはいつのまにか受け取っている。雨の音を聴きながら、今朝も龍の笛を聴く。「十天楽」。天人が舞い降り、仏前に花を供える情景を表した曲なのだそう。そういえば、曼珠沙華という名前はサンスクリット語のマンジューシャカの音訳。法華経に説かれる天上の花のひとつで、良いことが起こる前触れに、天から降ってくる花とされている。彼岸花というと、どこか寂しいイメージを持たれることもあるけれど、もともとの名前には、こんな美しい意味がある。天から降ってくるもの。花も、雨も、音も。今朝は、空からいろんなものが降ってきている。今日は満月。雨の向こうに、月がある。