もうすぐ80歳を迎えるお母様へ。息子さんご夫婦からの、ベッドの贈り物です。窓口となってご相談くださったのは、息子さんの奥様でした。はじめはご自身で調べていたそうですが、情報や種類が色々あって、調べるほど何が正解かわからなくなってしまったとのこと。「以前、義母が泊まりに来たとき、我が家のマットレスを気に入っていたので、電動タイプにも同じようなものがあったら一番いいんですけど……」そんなSOSをいただいたのが3日前。そして本日、いくつかのプランを用意して、ご自宅へ伺いました。ご要望の基本は、お母様のこれからの安心。・電動でリクライニングできること・布団が落ちないよう、支えがあることけれど、フレーム選びを進めていくと、一つの事実に直面します。お母様の部屋の明るい床色には、明るい色のフレームが合う。空間として心地よいのは、間違いなくそちらです。しかしそれを優先すると、構造上、希望していた「手すり」が取り付けられない。機能を優先して、見た目は妥協するか。印象を優先して、手すりを諦めるか。そこで、少し視点を変えてみます。これは「介護用ベッド」を選ぶ話なのだろうか。それとも、「眠りの環境」を整える話なのではないか。ホテルのベッドを思い出してみてください。そこに手すりはありません。けれど、横幅に余白があるだけで、布団はずれにくく、寝返りは静かで楽になる。身体は余計な力を使わず、自然に守られています。ご提案したのは、シングルではなく「セミダブルサイズ」。ベッドを大きくした、というより「眠りに余白をつくった」という感覚です。このご提案、最後はお母様ご本人に確認してくださったようで、LINEからの質問にわたしが気づくより早く、「セミダブルのナチュラル色」でお願いします、と決定していただきました。手すりという「装置」よりも、ゆったりとした「広さ」を選ばれた瞬間でした。明るい床色に調和する、やわらかな色のフレーム。視界に入る色が整っていること。眠りは、目を閉じたあとだけのものではなく、横になるまでの安心感も含まれます。空間が整うと、身体の緊張もそっとほどけていく。眠りは一日を終わらせるためだけでなく、身体と気持ちを、もう一度まっさらに戻す時間だからです。「守りたい」という機能的な優しさが、「心地よくありたい」という本音と重なって、広さという「余白」に着地しました。「もう歳だから」と、続く未来に幕を引く、という風潮もまだ少なくありません。けれど今回、息子さんご夫婦が選んだのは、「とりあえず」の代用品ではなく、「これから」が楽になる高機能なベッドでした。年齢を理由に諦めるのではなく、年齢を重ねるからこそ、より良い時間を過ごしてほしい。壊れかけたベッドをきっかけに、より快適な毎日を贈る。そんな素敵な親孝行の形に、私自身も背筋が伸びる思いでした。年齢に関係なく、眠りの質は、暮らしの質そのもの。支える装置を増やす前に、環境としての安心を整える。そんな発想の転換から生まれた、今回の電動リクライニングベッド選びでした。大分市でオーダーカーテンとインテリアコーディネートをご提案しているアルティマ工房です。暮らしを整える住環境づくりを通して、心地よい住まいづくりをお手伝いしています。別府市など近隣エリアにも対応しています。