暦の上では、今日から春。立春。Googleマップへの投稿では「春の光を取り入れましょう」と書いたが、私自身もこの節目に合わせて、暮らしの新陳代謝を行った。まずは、ささやかな「はじまり」の儀式から。火を灯したのは、春の訪れを告げる菜の花色の和蝋燭。そして、新調した布巾には、雪輪(ゆきわ)の刺繍。雪の結晶を図案化したこの模様は、実は「雪解け」を表し、吉兆の意味を持つという。ゆらめく黄色い灯りと、雪解けの白。テーブルの上で静かに冬を送り出し、春を招き入れた。一方で、今日も「手放し」があった。争いの教本『まんが日本の歴史』のフルセットも、新しい持ち主のもとへ旅立っていった。箱の中で本が傷まないよう、丁寧にクッション材を詰めながら感じたのは、不思議なほどの清々しさだ。立春は、陰から陽へと、エネルギーが切り替わる転換点。大地の下では根が動き出し、川の流れが変わるように、見えない場所で物事は猛スピードで変化している。新しい流れを呼び込むためには、まず「スペース(余白)」が必要だ。呼吸と同じで、まずは吐き出すこと。手放すこと。物理的に空間を空けることで、その空いた場所に、新しい季節の気がすっと流れ込んでくるのを感じる。静かな灯火を見つめながら、心も空間も、軽やかに。春のスピードに乗っていく準備は、これで整った。