家事や仕事のひと段落に、甘味とお茶をいただく時間が、ささやかな楽しみです。その日の器を手に取り、ほっとひと息。用意したものを食べ終えて、やっぱりもうひとつ……と、つい手が伸びてしまう。心地よさと幸福が広がり、欲にも甘くなる午後のひととき。そこで、私たちの「細胞」のはたらきに、あらためて目を向けることにしました。私たちが甘いもの(砂糖)を食べると、体内で分解されて「グルコース(ブドウ糖)」になります。からだの細胞の中には「ミトコンドリア」という小さなエネルギー工場があり、日々このグルコースを受け取り、私たちが動くための活力を生み出してくれています。ところが、甘いものを食べて血糖値が急に上がると、この工場にグルコースが一気に押し寄せてしまいます。するとミトコンドリアは処理の限界を超えないように、自らを守るために働きを抑えることがあるとも言われています。まるで、工場が「これ以上は無理」とストライキを起こすように。処理しきれなかった糖は体内に余剰として残り、からだに負担をかける一因になるとも考えられています。こうした積み重ねが、いわゆる「酸化」や「老化」と関係しているという見方に触れ、ハッとしました。好む習慣にも、目を向けて、気を配りたいものです。甘くて美味しいものに手が伸びてしまうのも、血糖値の上下によって、脳が「エネルギー不足だ(空腹だ)」と誤解して、再び甘いものを欲するようになるためとも言われています。ミトコンドリアの働きがゆるやかになるのは、決して怠けているわけではなく、からだを守ろうとする自然な反応。そう思うと、日々の習慣を見直して、その働きに応えていきたいと感じます。からだのエネルギー工場に負担をかけすぎないために、まずは「食べる順番」を意識してみます。野菜や海藻などの食物繊維からいただき、つづいてたんぱく質や脂質、そして最後にごはんなどのでんぷんや甘いものを。この順番を意識するだけで、からだへの負担はずいぶん穏やかになるそうです。そしてもうひとつ、日々の暮らしに新たな習慣を。血糖値の急な上昇をやわらげる働きがあるとされる「お酢」を取り入れてみることにしました。わが家にはちょうど飲み慣れた梅酢があるので、ビネガードリンクの代わりに。食前に、さっぱりとした梅酢ウォーターを。そして午後のお茶の前にも、まずはひと口。食べたあと、座ったまま踵を上下に動かすなどの軽い運動でも、食事で摂った糖が脂肪として蓄積される前にエネルギーとして使われ、血糖値の上昇(グルコーススパイク)をゆるやかにする助けになるそうです。幸せを味わいながら、できることから、からだの仕組みにやさしく寄り添うこと。それもまた、暮らしを調えることのひとつ。からだもまた、いのちが宿るひとつの環境。人が調うための住まいもまた、人が宿る環境。そのどちらにも、同じようにやさしく在りたい。