ともかく、寒すぎる一日だった。分厚い靴下を重ねても足先は冷えきって、外に出るにも、けっこう覚悟がいる。選挙のこと。物価高のこと。上がり続ける税金と、暮らしの負担。長く続いてきた、五十年の歴史をもつサロンが移転するという話も耳にした。外からは測れないけれど、「続けること」が、いまの時代どれほど大変かは、想像がつく。政治や政策に、拭えない違和感がある。どこか不自然で、日本人の生活が、どうやら二の次になっているように感じる場面が増えた。けれど、その違和感は、無理に飲み込まず、そのまま発していたいと思う。不自然なことを、不自然だと感じられること。それ自体が、まだ感覚が健やかである証なのかもしれない。ひとりひとりの気づきが、肝なのだと思う。大きな声や、過激な言葉ではなく、日々の感覚が鈍らないこと。ふと、フォトフレームの中で微笑んでる母と目が合った。こうして考え、感じ、迷いながら生きている私を、この世界に送り出してくれた人。それは、ほんとうにありがたいことだと、しみじみ思う。選挙の結果が出たその先で、きっと試されるのは、制度や数字ではなく、日本人の内側にある感覚なのだと思う。不満を、誰かに預けるのか。違和感を、感じたままにしておくのか。それとも、自分の足元から整えていくのか。その選択が、静かに、次の時代をつくっていく気がしている。どうであっても、日に日に、世界は良くなる。寒さの極みを経験してこそ、いま、ここにある温もりに、心から感謝できるのだから。