昨日のヒアリングで、ふとアルバムの話になった。新しい住まいをつくるとき、何を持っていくのか。家具や食器だけではない。思い出の品や、昔の写真もそのひとつ。私自身も、押し入れの棚に母や私の旅アルバムが今も残っている。四角くて大きな、昔ながらのアルバム。開いてみると、思いがけず面白かったりする。今はスマートフォンやパソコンにたくさんの写真を保存できる。だから、昔のようにアルバムをつくることはなくなった。だからこそ、ページをめくりながら見る写真には、データとは違う面白さがあるのかもしれない。とはいえ、大きなアルバムは場所をとる。残すことも、手放すことも、ベストなタイミングがあると思う。そんなことまで含めて、新しい暮らしの準備をしていく。新邸宅の計画では、どうしても建物のことが先になりがちだけれど、その建物で暮らすのは、そこに住む人。どんなものと暮らし、何を残し、何を手放すのか。どんな記憶と一緒にこれからを暮らしていくのか。そこまで見つめてから、住まいを考える。建物だけではなく、内側からも環境を整えていく。新しい家へ持っていくものを選ぶことも、家づくりの大切な準備なのだと思う。残すものも、手放すものも、その人の時間の中で決まっていく。暮らしの軽やかさは、人生を軽やかにする。