まるで小春日和のような、柔らかな日差しに恵まれた日曜日。いよいよお引き渡しを間近に控えたT邸にて、キッチンハウス福岡店さんによるオーダーキッチンの取り扱い説明が行われた。それにしても、今回、食卓を兼ねた台所という「唯一無二の一台」を形にするために伴走してくださった、オートクチュールキッチン担当の岡田さん。その仕事ぶりには、始終、見習うところだらけだった。早さ、リズム、タイミング、丁寧さ、誠実さ、謙虚さ、そして「報連相」の徹底ぶり。そのすべてが淀みなく、何よりスマートだった。まさに、オートクチュール。その名のとおりの質の高い仕事ぶりを、フルに味わえたことに心から感謝したい。プロフェッショナルとはどうあるべきか、私にとっても非常に勉強になる時間だった。私たちが今回お願いした特殊な注文の数々を、岡田さんは一つひとつ見事なまでに叶えてくれた。その工程にどれほどの研鑽と配慮があったか。こうして完成した姿を見れば、語らずともその結果にすべてが現れている。現場が「家」へと変わり、新しい暮らしの気配がしだいに色濃くなってゆく。今日は、実際にこれからこのキッチンを使い、日常を編んでいく方への「バトン」が手渡される日。一つひとつの機能を丁寧に、分かりやすく説明してくれる岡田さんの手元には、いつも真っ白な手袋があった。食洗機の説明の際、少し水に触れる場面があった。そのとき岡田さんが咄嗟にバッグから取り出したのは、ハンディサイズの今治タオル。しかも、誂えたキッチンとぴったり共鳴するような、ほどよいグレージュ系の一枚。さりげなくて自然、そのセンスが心地よかった。白い手袋も、道具の汚れを防ぐためだけのものではない。「これからお客様の大切な人生が始まる場所」に対する、最大限の敬意の証。その清潔な白さが、彼の仕事の誠実さを何よりも雄弁に物語っていた。使い込むほどに馴染んでいくであろう、上質な素材。見えない場所にまで施された繊細な意匠。良い家づくりには、良い素材が必要だ。けれどそれ以上に、その素材に「魂」を込め、最適な形へと導く「人」の存在が欠かせない。無事に全ての説明を終えたあと、岡田さんを屋上へとご案内した。冬の柔らかな日差しが降り注ぐ、床タイルも仕上がったばかりの屋上テラス。視界は少し春を先取りしたように霞んでいたけれど、海から山へ、そして街のあちこちから立ち上る湯けむりまでを一望するパノラマビューを皆で眺めた。仕事を通じて出会う、こうした素晴らしい縁こそが、私の何よりの財産だと思う。互いを尊び合える関係性のなかで生まれる仕事は、空間にも、人の記憶にも、静かな誇りを残していく。誠実で美しい仕事を届けてくれたことへの、深い感謝を込めて。誰かの「よい記憶」となるための空間を、最高のチームと共に創り上げられる幸せ。整えられたこのキッチンに、最初の一杯のコーヒーの香りが漂う日を、私もまた楽しみに待っている。大分市でオーダーカーテンとインテリアコーディネートをご提案しているアルティマ工房です。暮らしを整える住環境づくりを通して、心地よい住まいづくりをお手伝いしています。別府市など近隣エリアにも対応しています。