昨日見上げた、蝋梅(ろうばい)の蕾。冬の青空にぽっと灯ったような、あの黄色に誘われて、年末にいただいたレモンについて。手作りおやつは、私にとって暮らしの理想であり、憧れでもある。特別な日でなくても、「焼こうかな」と思える余白があること。その感覚自体が、今の暮らしの指針のようにも感じている。レシピ動画を参考にしながら少しアレンジを加え、米粉のレモンケーキを焼くことにした。材料は、あるもので賄うことにする。元気な平飼いの有精卵。無農薬の在来種米粉。少しつくっていた豆乳ヨーグルトに、一番搾りのなたね油。やさしい甘味のマザーシュガーはやや控えめの40g。身体の調和を整える「日光」や「食」を大切にしたい。きっと、しっくりと馴染む素材ばかりだ。レモンを扱うとき、いちばん好きなのは皮を削る瞬間。おろし金を通るたびに、部屋中にふわっと爽やかな香りが広がる。思わず「これぞ天然アロマ」と感じるほどで、呼吸も自然と深くなっていく。キッチンの空気が、ひと足先に春を迎えたように、やわらかくほどけていく。卵をふんわりと泡立て、素材を丁寧に混ぜ合わせてオーブンへ。焼き上がりの熱いうちに、レモン果汁を合わせたシロップをたっぷりと染み込ませて仕上げる。このひと手間で、米粉の生地がしっとりと、香り高く仕上がるのだ。余ったレモンの皮を上にパラパラと散らして、3時間くらい冷蔵庫で味をなじませて、いよいよ実食。冷凍ストックしておいたヨーグルトクリームと、発酵バターのクッキーを添えて。ひと口食べると、米粉のやさしい甘みと、レモンの爽やかな酸味が重なる。「やっぱり、美味しい」自画自賛だけれど、季節のおやつを自分でつくって味わえるのは、暮らしの大きな幸せだ。まだもう一個、レモンが待っている。次もこれで。今度は生地にいれる直前に皮を削ってみよう。冬の庭から届いた「黄色」のバトンを、今度は食卓で、しっかりと受け取った。この香りと、再び合える日を楽しみに。