友人の誘いで、冬の湯布院へ。研ぎ澄まされた冷気の中、透明な大気と新たな縁に心が躍る。「カフェ・エーデン」にて、軽やかな名作、Yチェアに深く腰を下ろし、談笑のひととき。才を活かした人生の旅路、そして「再生」の物語。人同士が紡ぐ時間の尊さを思う。道すがら立ち寄った、匙(さじ)工房。作業場も見学し、その手仕事の誠実さに触れる。傍らでは、暖炉の火が静かにはぜている。凍てつく外気と、爆ぜる熱。その対比に、身体の奥がじんわりとほどけていく。最後によった「HAJIMARI Beppu」で出会った、素朴な情報がこの冬から始めた、温泉巡りの愉しみとリンクする。地球の熱に身を委ね、滞っていたものを洗い流す、天然な行楽。遠くても身近でも、家でも庭でも、すべてが旅。新たな縁がゆく道に灯される。地元の豊かさと人の温かさを再確認した、充実の一日。明朝、片付けた重い袋をいくつも出す。重ければ重いほど、手放した後の空間に流れ込む「風」の軽やかさを想像できるから。停滞していた情報を解き放ち、新しい光を迎え入れるための、ささやかな、けれど確かな儀式。身近な旅で得た充足感を、「悠々自適」な意識へと繋げていく。