5月3日。今も変わらず、敬愛している方の命日。百合子さん。彼女から贈られた「幻 無依」のお線香を焚く。静かで上品な香りに包まれ、なつかしい余韻に身を置く。年上で、とても魅力的な彼女は、どこか不思議な方でもあって、元旦の初夢を聴くために、毎年、遠方から訪ねてくる人も少なくなかった。感性が澄んでいて、愛に満ち、ユニークな方だった。意識のままに、現実となっていく。思いついたことが、そのまま形になる。たとえば、金蘭でつくった、「おかねのおふとん」。当時、京都の匠の手仕事によるもので、少しだけ仕立てていただいたと聞く。おかねさんたちに、しばらく休んでもらうためのお布団。その発想と、美しい織りと仕立てに心を動かされ、当時、分けてもらった。それ以来、ようこそ、という気持ちで、おかねさんには、心地よく寛いでもらっている。ひと息つく場所として。こうして今も、清々しい敬意は、暮らしの中に続いている。